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【元スタバ社員が教える】ChatGPTを活用した実践的リーダーシップ|今日から始めるAI経営

2023.12.18 - useful

このタイトルを見てこの記事を読んでくれているあなたはきっと、チームや組織のリーダーとして以下のような悩みを抱えているのではないでしょうか。
「うちのチーム、もっと自立してほしいんだけど、どうやってコーチすればいいの?」
「新人が思うように成長しない…。OJTで何を改善すればいい?」
「フィードバックしたら『詰められてるみたいで恐い』って言われてしまった…」
「AIとか最新技術を使って、もっと効果的な組織運営ができないかな?」
しかし、日々多忙な中で組織運営についての取り組みがついつい後回しになってしまっているかもしれません。

効果的なコーチングとフィードバックは、チームメンバーのモチベーションを高め、個々のスキルを伸ばし、結果として組織全体の生産性を向上させます。しかし、これを実現するためには、正しい方法と適切なツールが必要です。
そこでオススメしたいのがChatGPTです。AIを活用することで、客観的かつ一貫したフィードバックができ、チーム内のオープンなコミュニケーションを促進します。
この記事では、効果的なコーチング・OJT・フィードバックの方法を、元スタバ社員である筆者がスタバで学んだことを交えながらお伝えします。
さらに「価値観の共有」といった組織運営に欠かせないワークを、ChatGPTを活用して効率的に進める方法も解説。
「これさえ読めば完璧に解決!」ということを確約はできませんが、少なくとも「明日から試してみよう」と思えるヒントになれば嬉しいです。

この記事はアドビ社のPR企画「みんなの資料作成」に参加して執筆しました。

スタバでの8年間がチームビルディングの基礎に

私は現在Webデザイナー兼ディレクターとして活動していますが、実は20代の約8年間はスターバックスで働いていました。「ホイップ多めにしますか?キャラメルソースも増量できますよ」と言いながら、カップにThanks! や お疲れ様です:)を描いて渡していた日々を懐かしく思います。
この期間に、合計6店舗での勤務経験を通じて、のべ200人以上のパートナー(従業員)と共に働く機会に恵まれました。新規開店から10年以上の歴史を持つ店舗まで、規模や忙しさ、客層などが異なる多様な環境で、アルバイトも含めたパートナーたちのリーダーとしてサービスの維持向上に力を入れ、その土台となるパートナーの人材開発を実践していました。また、ブラックエプロンを身に着けて、店舗におけるコーヒー豆やコーヒーの抽出器具などの売上を担当する「ストアコーヒーマスター」というポジションも担っていました。
各店舗での経験は、ただ単に異なる場所で働くというだけではありませんでした。それぞれの店舗には平均して20-30名ほどのパートナーが所属していることもあり、各店独自の文化があり、異なる課題や面白さがありました。そのお店の立地によって客層もニーズも全く異なるため、サービスの提供方法からチームビルディングまで柔軟に対応する必要がありました。
その経験が今は様々なプロジェクトでチームを組んだときの動きはもちろん、クライアントとの折衝に至るまであらゆる場面で活きています。

1. ブラックエプロン…スタバにはコーヒーマスタープログラムという研修制度があります。まずは店舗で「コーヒーマスター」として認定を受ける必要があり、さらにその「コーヒーマスター」を対象とした、年に1度行われる社内試験を受けて合格すると晴れてブラックエプロンになれます。ちなみに試験の合格率は1割程度と言われています…!

企業が抱えがちな組織運営3つの課題

冒頭でも触れた通り、現代の経営者や管理職が直面している頭痛のタネの一つが、効果的な組織運営です。
私自身も、スタバで働く中で最も難しいと感じたのは組織運営でした。前述のとおり店舗には20-30名のパートナーが在籍していますが、その多くはアルバイトの大学生です。いわゆるZ世代と呼ばれる彼らは、私はもちろんさらに年上である上司との価値観の違いを感じることが多くありました。大学生だけでなく、パートで働くママさんや、別の夢を追いかけて掛け持ちで働くフリーターの方など、様々なバックグラウンドを持ったチームをまとめていくのは至難の業です。
そのため新しい店舗に異動した際は、その店舗がどういった部分に問題を抱えているかを店長やエリアマネージャーたちと分析することが求められます。そんな中でよく問題とされている組織運営の課題が3つありました。


(AI画像生成ツールDALL-Eにて筆者作成)

1.Z世代が従来の組織内コミュニケーションに馴染めない
2.建設的なフィードバックの文化が醸成されていない
3.優秀な人材が仕事に意義を見出せる環境になっていない

この3つはおそらくスタバに限らず、多くの企業で問題になっているのではないか?と思うので、以下に詳しく解説していきます。

1.Z世代が従来の組織内コミュニケーションに馴染めない

特に、Z世代と呼ばれる若い世代の社員たちとのコミュニケーションは、多くの経営者やリーダーにとって難しい課題となっています。
彼らは小さい頃からスマホやPCなどのガジェットを使う機会が多く新しいテクノロジーに精通しており、物心がつく頃にはSNSが爆発的に広がっていました。
そのため情報を集める能力や比較検討する習慣が身についていることが多く、「え、うちの上司ってヤバいんじゃないの…?」「友だちの職場は同じ業界なのに全然雰囲気が違うな…転職しよ」と意思決定してしまうこともままあります。彼らは新しい働き方を求め、従来の組織やコミュニケーションの枠組みに馴染みにくいことが多いです。このギャップが、組織内でのコミュニケーション障壁や誤解を生んでしまうことがあります。

2.建設的なフィードバックの文化が醸成されていない

現代の職場では、フィードバックの提供方法が大きな課題となっています。「どのようにして正直に意見を伝えた上で建設的なフィードバックを行えばいいのか?」、「どうすればスタッフのモチベーションを維持しつつ、パフォーマンスを向上させられるのか?」という問いは、多くのマネージャーが頭を悩ませるポイントです。

3.優秀な人材が仕事に意義を見出せる環境になっていない

離職率の低下もまた重要なテーマです。優秀な人材を確保し、彼らが長くチームの一員として活躍できるような環境を作ることは、どの組織にとっても切実な課題です。優秀な人材が集まり、定着するチームを形成するためには、単に良い給与やベネフィットを提供するだけでは不十分。彼らが自分の仕事に意義を見いだし、成長できる環境を整えることが求められます。

結局のところ、これらの課題は全て、効果的なコミュニケーションと適切な組織文化の構築に帰結します。時代が進むにつれて、これらの課題はさらに複雑化しているため、現代の経営者やリーダーには、従来の方法を見直し、新しいアプローチを模索する必要があります。
これらの課題を解決するための具体的な方法として、スタバで学んだコミュニケーションと仕組みづくり、そこからChatGPTを活用するアプローチについて掘り下げていきます。

筆者が学んだスタバ流研修のポイントとChatGPT活用術

スタバで学んだことの中で特に印象的だったのが、研修についてです。
スタバでは、アルバイトも充実した研修が受けられます。
筆者が在籍していた当時は、80時間の研修のうち、70%がOJT研修、20%はメンターであるコーチからのフィードバックで習得し、10%はオンラインのEラーニングで学ぶ、というアプローチを採用していました。
OJT/Off-JTの充実したトレーニングプログラムを受けることで、高校卒業後すぐの学生から主婦まで全てのメンバーが、親しみやすく笑顔のあふれる接客と、複雑なカスタマイズのドリンク作成ができるようになる、というわけです。
また、研修の中でスタバが持つブランドとして果たしたいミッションやバリュー、いわゆる企業理念やコアとなる価値観について学ぶ機会や話し合う機会も多く設けられていました。

研修のポイントその1:OJTでは「期待値」を設定する

OJTは実務を行いながら業務を覚える研修方法です。効率的に学習でき、少しでも早く人材を即戦力に育てたいときに役立ちます。そこで大事なコミュニケーションの4ステップがあります。
「やってみせる(Show)」「説明する(Tell)」「やらせてみる(Do)」「確認、追加指導する(Check)」

やってみせ、説明し、やらせてみて、フィードバックする。このシンプルながらも強力な指導方法は「4段階職業指導法」と呼ばれ、新人から経験豊富なスタッフまで、どんなメンバーの成長にも効果的です。
起源は第一次世界大戦時のアメリカで、多くの軍人を育成するために生まれたそうです。かの有名な山本 五十六(やまもと いそろく)の言葉、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」も、かなり近いことを言っているので、万国共通で使えるメソッドなんでしょうね。
その中でもスタバではステップの2番目「説明する」を実行する際に「期待値を設定すること」をとても重要視していました。
期待値は具体的に何ができるようになるか、どういう成果物を求めているか、というのを明確に示します。また、業務的に身に着けてほしいことを説明するのはもちろん、「今後どういった役割を担ってほしいのか」という成長への期待を伝えることを大切にしていました。

例えば以下のような内容です。

例①:今日はこの2時間で、この機械を使って美味しいミルクをスチームできるようになってもらいます。このやり方を身に着けると、いつお客様がいらしても、美味しいラテを提供できるようになりますよ!
例②:〇〇さんには、将来的に学生たちのリーダー的役割を担ってほしいと思っています。そのために、今教わっている内容だけではなく、内容をどのように分かりやすく伝えているかに注目してこのコーチングの研修を受けてくださいね。

弊社の業務内容における活用方法としては、以下のようになります。

【クライアントとの商談】
①やってみせる:クライアントとの商談や打ち合わせなどに新人メンバーも同行。どのように話を進めるのか実際に見てもらい、議事録を取ってもらいながら話の流れを掴む。
②説明する:会議の内容について、やり取りや出てきた用語に不明点などが無かったかを確認しつつ、どういう商談だったかを説明する。
③やらせてみる:社内でロープレの実施。次回以降の商談で話す機会を積極的に与え、メインの進行を任せていく。
④確認、追加指導する:③の内容について、フィードバックを行う。

この工程の中で、弊社の社長は「ゆくゆくは最初の挨拶からデザインの成果物を納品するところまでを1人でできるようになってほしい。そうなったら、お客様は一貫して担当者とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進められるから、より一層安心してもらえるねん」とメンバーに伝えています。
弊社ではこのステップをかなり早いサイクルで回し実践することで、スピーディーな育成を意識した運営がなされています。

ChatGPTでOJTのステップを自社に落とし込む

ここで「実際に自分の会社や社員に当てはめるにはどうすればいいのか」を考える際に、ChatGPTの活用が大きな助けとなります。
なかなかピンと来ないと思いますので、実際の画面をお見せしながら、順を追ってさらに詳細を説明していきます。

上記の「クライアントとの商談」についてChatGPTに聞いてみましょう。

おおよそ弊社で実施している内容と同じものが出てきて安心しました。さらに詳しく説明してくれているため、「どの部分を重点的に鍛える必要があるか」といったことが考えやすいですね。
さらに追加で質問をしていくといいかもしれません。新人メンバーの具体的な悩みをどのように解決すればいいか聞いてみましょう。

【ChatGPT活用術】新入社員のコミュニケーションスキルを高めるための効果的なアプローチを聞いてみる



「ロールプレイの練習」や「事前準備の実施」など、たくさんのアプローチを提案してくれました。

【ChatGPT活用術】クライアントとの打ち合わせの具体的なシナリオや想定質問リストを作成する

「3.事前準備の実施」に記載されている、具体的なシナリオやクライアントからの想定質問リストもChatGPTに聞けば一瞬でたたき台を作成してくれます。


このように、出てきた回答に対して気になる部分を深掘りして質問をすることで、すぐに役立つ内容やより精度の高い答えが返ってきます。

【研修のポイントその2】価値観を共有するワークでチームの一体感を育てる

スタバでは、個々人の価値観を共有するワークを店舗内のスタッフ間で行う機会がありました。
このワークで配布されたシートには「責任 協力 平等 成長 熟練 感謝 精神力 冒険 管理 卓越 幸せ 開放 知識豊富 組織 利他主義 正確 刺激 正直 指令 他者への尊敬 地位……」といった価値観に関する単語が84個並んでいます。
そのシートを元に、以下のような手順でワークを行います。
1.シートの中から自分が大事だと思うものを10個、3分間で選ぶ
2.10個から3個に5分間で絞る
3.なぜそれを選んだのかを考えて、グループで議論する

このワークの目的は、個々のスタッフが何を大切にしているかを理解し、チーム全体の価値観の多様性を認識することにあります。スタッフが自分の価値観を共有し、互いに尊重することで、チームとしての一体感が育まれ、より良いコミュニケーションと協力が促進されます。このような自己認識と相互理解のプロセスは、特に多様なバックグラウンドを持つチームにとっては非常に有効です。
また、スタバが従業員満足度を高めるために大事にしているものは、「スタバが大切にしたい価値観とパートナー一人一人の価値観が重なった部分に生まれる共感」と言われています。
会社の価値観と従業員の価値観が重なる部分があることにより、従業員は単に「会社にやらされている」という状態から、自分から「やってみたい!」という内発的動機による行動に繋がっていきます。
さて、どうやらこれらを実施するのが良さそうなのは分かるし、何なら本で読んだことあるよ…!という方もいらっしゃるかもしれません。問題は、これを少しでも簡単に実施するためにどうすればいいか?ということです。

ChatGPT活用術その4:組織運営に欠かせない価値共有のワークを効率化する

ここでもChatGPTの活用が大きな助けとなります。

ChatGPTにワークシートの内容を聞く

まず、ワークを実施する上で必要なワークシートについてChatGPTに考えてもらいましょう。
下記のように、ChatGPTに役割を与えます。具体例を入れるとさらに精度が増すので、いくつかの例を入れてあげると効果的です。


読みにくい形式で出てきちゃいました…!
そんなときは形式を指定しましょう。

これをExcel形式にしてもらうことも可能です(有料版 ChatGPT Plusの機能になります)。

ダウンロードして開くとこんな感じです。

ChatGPTにワークの進め方を聞く

次にワークの進め方についても聞いてみましょう。



かなり具体的なミーティングのプランが出てきました。
ここではどの会社でも使える一般的な内容になっていますが、もっと具体的な指示を出してあげることで、より自分の会社にあった内容にすることも可能です。
追加する指示や参考情報としてChatGPTに読ませると効果的な内容の例としては以下のようなものがあります。
会社の企業理念や社是、沿革などの会社情報
メンバーの人数や具体的な属性(年齢や勤続年数など)
扱っているサービスや商品についての情報

このように、価値観を共有する機会を新しいメンバーが入ったタイミングや年度初めのキックオフミーティングなどで実施することで、会社の方向性と個人の方向性が一致し、より強力なチームを作り上げることができます。

チームの結束力を高める資料はAdobe Acrobat オンラインツールでブラッシュアップ

価値観の共有がしっかりできて、チームの方向性が固まった資料はメンバー間で共有されることで、より深い意味を持ち、チームの結束力を高めます。また、チームメンバーからのフィードバックやアイデアを受け取り、それらを元に価値観を追記・ブラッシュアップすることも大切です。
昨今は様々なツールが溢れていますが、PDFで共有した資料を扱う際は、Adobe Acrobat オンラインツールがとても便利です。
PDFへのコメント
Adobe Acrobat オンラインツールの「PDFを編集」機能を利用して、PDFファイルに直接コメントを付けることができます。これにより、複数のチームメンバーからの具体的なフィードバックや提案を一つのファイルに集めて、全員の意見を反映させることが可能になります。具体的にはAdobe Acrobat オンラインツールの「PDFを編集」機能を利用して、PDFファイルに直接コメントを付けることができます。
たとえば、スライドをブラッシュアップする際、データの同時編集が可能なので、複数人からのフィードバックコメントが欲しいときに便利です。人数が多く、なかなか全員で集まることが難しい場合にも、この機能を使うことで一つの資料を全員で良いものに作り上げていくことが出来ます。
また、画像については、コメントでフィードバックをもらうこともできますが、フリーハンドで直接イメージを書き込むことが可能なため、相手の直感的な理解に役立ちます。

PDFのページを削除

情報が古くなったページや不要な内容は、Adobe Acrobat オンラインツール の「PDFのページを削除」機能を用いて簡単に削除できます。 情報を更新しやすくなるので、資料を常に最新かつ関連性の高い状態に保つことができます。

PDFにページを挿入

新しい情報や追加の資料を組み入れたい場合は、「PDFにページを挿入」機能を使用します。これにより、既存の資料に新しいページやセクションを追加し、より充実した内容にアップデートすることができます。

終わりに

この記事では、筆者が8年間働いていたスタバの組織運営のメソッドを紹介した上で、ChatGPTやAdobe Acrobat オンラインツールで組織運営を効率化する方法を紹介してきました。
組織運営で大切なのは、各スタッフの個々の価値観を尊重し、それらをチーム全体の強みに変えていくことです。
個々の意見や感覚を理解し、共感し合うことで、チームの結束はより強固となり、一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。

チームビルディングや組織運営の改善において、新しいテクノロジーを積極的に取り入れることは、メンバーとの対話など「人にしかできない領域」に集中するのに大変有効です。この記事が皆さんのチーム運営に新たな視点をもたらし、実践的なアイデアを提供できれば幸いです。